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昭和大学研究者情報・業績集

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業績詳細

業績項目 学術雑誌論文(学内)
タイトル・書名 医療用ポリ塩化ビニル製品より溶出する可塑剤フタル酸ジ-2-エチルヘキシルの検討
著者
学部・講座・部門
施設
タナカ 早恵
2017  年度
医学部 外科学 小児外科学
2017  年度
昭和大学病院・東病院
著者
学部・講座・部門
施設
土岐 彰
2017  年度
医学部 外科学 小児外科学
2017  年度
昭和大学病院・東病院
雑誌名 昭和学士会雑誌
巻・号 77 巻      5 号
開始・終了ページ 開始 551  ページ /  終了  558  ページ
刊行年月 2017 年 10 月
言語 日本語
内容記述 ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride, PVC)は工業製品の素材として広く使用されている.これに可塑剤を添加することにより硬度を調節でき,用途に合わせた加工が可能になる.従来,可塑剤としてフタル酸ジ-2-エチルヘキシル(di(2-ethylhexyl)phthalate, DEHP)が主に添加されてきたが,DEHPはげっ歯類で精巣毒性等があることが報告され,PVC製医療機器は他の可塑剤への変更やPVC以外の原料への変更が求められた.その後,ヒトへの影響も複数報告されている.DEHP添加PVC製品はその機能性と低価格のため,現在でも医療機器として使用されているものが少なくない.ボタン型胃瘻チューブに接続されるチューブもその一つである.そこで胃瘻を介す経腸栄養剤投与時のDEHP溶出量を検討した.蒸留水をコントロールとして,4種類の経腸栄養剤(ラコールⓇ,エンシュア・リキッドⓇ,エンシュアⓇ・H,はぐくみⓇ)を室温下に胃瘻接続チューブを通過させたのち,採取溶液中のDEHP濃度を高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した.胃瘻接続チューブはPVC製DEHP添加およびDEHP非添加の2種類を用い,各々以下の2つの実験を行った.実験1は,流入速度100ml/時で,溶液採取を1時間毎に2回行い,DEHP濃度を測定した.実験2は,流入速度約8ml/時で,溶液採取を1時間毎に6回,その後8,12時間目に採取し,DEHP濃度を測定した.実験1でコントロールと比較して,すべての経腸栄養剤でDEHP濃度の上昇を認めた.実験1での1時間注入量を実験2で12時間かけて注入した場合,すべての経腸栄養剤で実験1に比しDEHP濃度の有意の上昇を認めた.また,DEHPは脂肪への溶出がさらに容易となるといわれており,脂肪含量の違いによる溶出量の影響について検討した.結果,経腸栄養剤により脂肪含量に差を認めたが,DEHP溶出量と脂肪含量の関係に一定の傾向はみられなかった.そこで,同一製剤で脂肪含量の異なるエンシュアⓇ・Hとエンシュア・リキッドⓇを比較すると,脂肪含量の多いエンシュアⓇ・Hで溶出量が有意に高値を示していた.以上よりDEHP添加PVC製の胃瘻接続チューブを用いた場合,DEHP溶出量を少なくするためには注入速度を速めることが望ましく,とくに脂肪を多く含む栄養剤使用時にはその傾向が強い.ただ,脂肪含量が多い栄養剤は注入速度を速めると,下痢などの副作用を生じる危険性があり注意が必要である.一方,DEHP添加PVC製の胃瘻接続チューブを使用し,一般的な経腸栄養剤の投与を行うと,DEHP溶出量は容易に耐容一日摂取量を超える可能性がある.長期の栄養剤投与や小児の場合,健康への障害が発生する危険性があることからDEHPを含有しない栄養ルートの使用を推奨したい.
出版者 昭和大学学士会
ISSN 2187-719X
資源識別子URI http://researchers-achievements.showa-u.ac.jp/dispGyoseki/?item_id=1028054&item_no=1
査読 あり
論文種別 原著